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また春に会いましょう! [剱立山]

昨日で私の4月から始まった剱立山のガイドが全て終了しました。
今シーズンも一件の事故もなくたくさんのお客様とご一緒する事ができましたこと、安堵の思いでいっぱいです。

立山室堂は11月30日のアルペンルート終了後は長い冬の時期を迎えます。
立山に関わっておられる、すべての方に感謝御礼申し上げます。
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そして天候に恵まれなかったシーズン中、私のガイドを選んでくださったお客様方に感謝申し上げます。

東京から来られる方が多いのですが、新幹線、アルペンルート、小屋宿泊費、ガイド料...と一回の山行で大変高額な費用が掛かります。
高い費用と貴重なお時間を預かって、それに報いる事ができるよう一生懸命頑張ったつもりです。
全ての方に満足してもらうことはできませんでしたが、事故を起こさない範囲で精一杯の行動ができるよう日々判断に苦慮したシーズンでもありました。

しかし、私の判断ミスや至らなかった思慮や行動で辛い思いをさせたお客様もおられると思います。
そこは丁寧に検証し、今後のガイド活動に活かせるよう努力したいと思います。

ガイドを始めて20年、毎年新しい出会いと別れがあります。
山を通じて出会ったご縁を大切にしたいと思いつつも、残念ながら私の判断や思考に合わない方も出てしまいます。
山岳ガイドという強いリーダーシップを発揮する必要上仕方のない場面もあるとは思うのですが、私の能力不足、経験不足、度量の狭さが招いたことなのだと思っています。

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昨日の立山稜線は雪が乏しく、荒涼とした雰囲気でした。
今秋の立山では、スキー滑走は厳しい状況で終わりそうです。
しかし、自然相手である以上、山は私達の予想しない試練や楽しみを味わわせてくれるのも常です。
それを受け入れられる度量を持ちたいと思います。
私はこれからも剱立山で、様々な形で関わって行けたら幸せです。

来年4月の良き日まで、暫しさようなら。

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昨夜はお客様方とえび寿司で〆ました。

今年は山行後のえび寿司でたくさん楽しませていただきました。
これからもよろしくお願いします!


滑落すること [富士山]

11月の富士山へ行って来ました。
無風快晴だったが、下地がアイスでさらに雪面硬く、頂上まで行けず本八合で敗退した。
登ったら、降りれなくなるかもしれないと判断したから。
数日前に滑落事故があったと聞いていたが、この状況ではあり得るだろうと感じた。
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若い時に富士山屏風尾根9号5勺付近から滑落した事がある。
もの凄いスピードで50m以上滑落して、たまたま岩にぶつかりスピードが緩んで吉田大沢に入る直前で停まることができた。
停まったのは偶然であり、技術で停まったわけではない。
それまで、滑落停止訓練とかやってはいたが冬富士では、あんなもので停まるはずがないことを学んだ。

それ以降滑落した経験はないが、滑落するということはどういうことか身を持って知った。

よく登山は知識と経験が必要と言われるが、怖いのは知った様な気がするということ。

雪崩の机上講習を受けたから…。
ロープの結び方を習ったから…。
事前に動画を見てルート調べたから…。

それは知ったような気がしただけ。
本物の雪崩に流され埋まり、あるいはクレバスに落ち、そこから得た実体験を精査して自分の登山に活かすことが良い経験と言えるのではないか。
机上講習は、そんなこともあるのだと知るには良いが経験だと思わないことだ。

私は雪の富士山を案内する時には、お客様に必ずあの時の滑落経験を詳細に話すことにしている。
自分の失敗を経験して欲しくないからだ。

これから冬のガイド活動を始める上で、私には11月、12月の富士山はとても良い。
高所順応、寒冷順応、強風順応、装備チェック、雪上リスクマネジメント整理、そして心を冬仕様にするためには絶好の場所だと思う。

もうすぐ冬ですが [ハイグレードハイキング]

秋が終わり、冬に変わるまで、どんな山に行くか毎年悩みます!
今までは、下ノ廊下と妙義や西上州を中心にやって来たがマンネリ化してきて自分がとても飽きてきた。
かつて、星穴岳は冒険的で面白かったのだが、いまやラッペルステーション化し、たくさんの人が入るので登山道もフィックスがあり、ガイドの職場としてやり甲斐を感じない。
表妙義縦走も鎖だらけ、人だらけ、ガイドだらけでつまらない。

西大星、御岳東稜、風穴尾根、御殿、富士稜などは楽しいけど、お客様からは二度と行きたくないと言われるし。

特に11月は難しい。
今年は立山の雪も少なくなったので、どこでどう楽しむか悩みどころです。
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やはり越後のスラブかなぁ。
あれは楽しいです。

雪減りましたね立山 [剱立山]

週末は雪と格闘できたが、その後は立山縦走で雷鳥荘入り。
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夕方は太陽柱を見ることができた。
自然界は凄いな。

翌早朝からは雨で、しばらく様子を見るも好転しないので開き直り決行。
普通ならガイド中止でも良いのだが、遠征の為のトレーニングなので行きます。
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気温も上がり雪はグズグズで、岩はミックス、歩きにくくて仕方ない。
先週来た時より、かなり雪量が減っている。

結局、誰にも会わなかったが当たり前か。

勝手知ったる立山だが、山は毎日いろんな顔で我々を迎えてくれる。
いつも新鮮で飽きることもマンネリになることもない。
一山一山、教えていただくことばかりです!

赤谷山は登れなかったけど [剱立山]

無雪期シーズンも終わって、しばらく秋休みを戴いていました。
この夏の反省とこれから来る冬への心の切り替え期間が必要です。
あとは、身体を休めることも必要な歳になりました。

この週末は馬場島荘に泊まってから赤谷山へ。
馬場島荘の新しい管理人星野君、頑張ってました。
周りの紅葉も見頃で、是非沢山の方に泊まって欲しい山荘です。
カメムシが少々煩いですが、とても静かな時間が過ごせます。
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翌朝は暗いうちからブナクラ谷を登ります。
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ブナクラ峠に出るとすっかり冬景色。
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稜線上は大した積雪量ではないのですが、赤谷山は白馬側の東面を巻くルート取りになるので、上がるにつれて概ね膝ラッセルでルンゼ状は股ラッセルとなりました。
途中まで昨日らしきトレースはあったのですが、直ぐに消えて、ここで敗退はしたんだろうなと予想できました。
ラッセル好きなお客さんは喜んでましたが、気温も上がり、雪も重く、藪とも格闘しながら山頂近くまで頑張りました。

しかし、不安定な新雪の上、下山のリスクを考えると暗くなっての行動は避けたく、時間的に登頂は諦めることにしました。
2200mから上は視界も悪く、悪天候の兆候も感じていました。
下山時には雨が降る時間もあり、稜線上は荒れていました。

それでも充実した楽しい山行でした。
やはり、雪が付いた山は美しく、トレースがない中、自分達でラッセルしてルートを開く楽しみは登山本来の醍醐味です。
今シーズンも、そんな山をたくさんガイドしてみたいです。
よろしくお願い申し上げます。